忘れられた罠
2015/06/25(木)
prev:
next:
獣の足を噛みつく罠。
いくつもの罠を仕掛けたけど、もう要らなくなった。
でも、罠は片付けずにおいたんです。
いくつもの罠を仕掛けたけど、もう要らなくなった。
でも、罠は片付けずにおいたんです。

罠に掛かっても、誰も捕らえに来ないよ。
誰も、仕留めに来ないよ。
その罠は、仕掛けた人間すら忘れてしまっているから。
そんな意味の無い罠に、君は勝手に引っかかったんだよ。
いっそ、仕留められたら楽なのに。
この罠は、君の心に噛みついて離れないんだよ。
少しずつ食い込んでいくけど、致命傷にはならない。
いつまで苦しめばいいのか、誰も知らない。
気まぐれに見にきてあげるかもしれないよ。
君が、どうやって、どんなに苦しんでいるのか。
見に来てもらえるかもしれないという淡い期待がね
君をダメにするんだね。
いつまでも
そこで
オアズケされて
いなさいね。
ほら。
やっぱりダメになったよ。
それじゃあ、
次に会うときま で
そんな日がくるか分からないけど
マゾの心を封印しておきなさい。
君の心の奥深くに
マゾの炎を
埋めておくんだよ。
埋火だね。
私が掘り起こすまで
大切にしておくんだよ。

私の仕掛けた言葉の罠。
私が忘れないことを祈っていなさい。
prev:
next:

