やっぱりMはやめられない その1
2015/09/14(月)
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自分独りだと絶対に超えられない「焦らしの限界」を、無理矢理超えさせられて・・・

手首・足首、二の腕、太もも、腹部、頸部を拘束する革の拘束具。
一重の縄ではなく、幅が10〜12cmの革の拘束具だった。
肌に触れる面積が広いほど、圧力が分散され、痛みも分散される。
痕も残らないし、長時間でも痛くない。暴れようにも動けない。
体に優しい拘束具。
でも、そんな拘束具を着けられるという意味を考えると芯から震えてしまう。
こういう拘束具は優しいんじゃないって知っているから。
長時間に渡って焦らされて、発狂するくらい焦らされて、
どんなに暴れようとしても皮膚に痕も傷も残らない。
擦れて皮膚が赤くなったりすれば、拘束具を外してもらえるけど、
こんなに「優しい」拘束具だと外してもらう理由が見つからない。
きっと肉体だけではなくて、精神まで壊される。
拘束具から解放されると きは、別人格になっているかもしれない。
それを予告するような拘束具。
念入りに、皮膚が擦れないか、当たるところはないか確認される。
「緩い部分があれば、暴れたときに擦れるかもしれないから」
と微調整を繰り返す。
単に装着させるだけなら5分も掛からない拘束具なのに
30分も掛けて念入りに確認・調節を繰り返される。
緩みも痛みもない絶妙な力加減で拘束された。
そんなことをされるだけで、マゾの快感でグツグツに煮込まれていく。
水分をこまめに与えられる。
それは、スポーツドリンクを薄めたもの。
空調も、少し汗ばむくらいの温度に調整される。
長時間の拘束を予告され、鼓動が早まっていく。
すぐにマゾのスイッチが入って、鼓動が早まっていく。
拘束される快感に酔いながら、赤みを帯びた顔を隠すこともできない。
目隠しをされたあと、額と首筋に冷たいシートを貼られた。
やっぱり長期戦だぁ・・・
絶望と期待、そして目隠しのためなのか、クラクラとしてくる。
人差し指のネイルチップを丁寧に剥がされパルスオキシメーターが装着された。
心理的な興奮が数値化されていく・・・
平然を装っても機械をごまかすことなんて不可能・・・
耳元でバイブの音を鳴らされて、少しでもドキドキすれば感知される。
「生殺しにしてあげるね」
と言われてから、指先のパルスオキシメーターの数値を確認される。
どんな言葉で心拍が上昇 するか確認される。
「あ、すごくあがった。」
「まだまだ上がってるよ。」
そして血中の酸素濃度も変化していく。
「チカちゃんが反応する言葉を調べてあげるね。」
もう隠してもムダ。
マゾの心の中を、無粋な装置に踏み込まれる。
「生殺しが好きなんでしょ?」
と聞かれて首を横に振った。
「数値がこんなに変化したのにチカちゃんが違うって言うなら、検証しないとね。」
そうやって素直になることを強制される。
素直な女の子になれば、心がマゾのポジションで固定されてしまう。
もうエスに戻れなくされちゃう。
もっとマゾに堕とされちゃう。
そんなことを考えるだけで、きっとパルスオキシメーターが反応してるはず。
もう隠せない。
今まで隠していた本音が、小さな装置にあばかれていく。
指を動かしても、装置は外れない。
逆らって見せることで、パートナーの心に火が付くかもしれないのに。
「心を調教してあげるからね。」
と言われたときに、心拍が最高値を記録した。

今はまだ、予行演習なんだって。
本番は連休なんだって。
君たちと一緒だね。
校正奴隷のMさん、ありがと。
教えてくれた脱字、直しましたよ。
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