ショートストーリー その30
2015/11/21(土)
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久しぶりにショートストーリーをアップいたします。
そんなコーナーがあったことすら知らない新参読者の方は、古い記事を読み漁って下さいね。
そんなコーナーがあったことすら知らない新参読者の方は、古い記事を読み漁って下さいね。

私の誕生日プレゼント。
会社の上司が、欲しいものがあれば買ってあげるよって言ってくれた。
既婚者で家庭を大事にしているけど、私に夢中になっている。
部署で定年退職を迎えた方がいらっしゃって、送別会のあとに、酔っている私をタクシーで送ってくれたときの話。
部長の家は、私の家とは方向が少し違う。
酔っているとは言っても、まっすぐ普通に歩けるくらい。
終電がなくなる10分くらい前に、部長は腕時計で時間をチェックしていたのに、終電がなくなってから声を掛けてきた。
「帰れる?大丈夫?」って。
心配するくらいなら、終電に間に合う時間に声を掛けてくれればいいのに。
終電の時間を過ぎていることに気づいていないフリ をして
「もう電車で帰りたくないですよ。歩きたくないし面倒くさいし、雨、降っていませんか?」
って言ったんです。
「じゃあ、タクシーで送ってあげるよ。」

タクシーが通るような大通りまで、部長の腕に掴まって、体を密着させてみた。歩いて5分くらい。
タクシーの中でも、少し寄り添って、何も喋らずに。30分くらい。
それだけで、私に夢中になっちゃった。
それ以上のことは、何もしていないのに。
たった、それだけのことで。
誕生日のプレゼントは、靴を買って貰うことにしました。
「一緒に選んでくれますか?」

仕事が終わってから、一緒に銀座に出掛けました。
会社を出る直前に、ウォルフォードのストッキングに履き替えて。
ダッフルコートの下は、短めのスカート。
お店に入ったときに、コートの前を開けて。
「どんな靴が、私に似合うと思いますか?」
私は試着用の椅子に腰掛けたまま、部長に靴を選んでもらってサイズがあれば試着する。
そして試着したら、部長によく見てもらうんです。
感想を聞いて、似合っているか聞いて。
「こういう靴が好きなんですね。クスクス。」

部長に選んでもらって、すぐに履きたいから、と言って履いてきた靴を箱にしまってもらって新しい靴に履き替えて帰ることにしたんです。
「靴を脱いだり履いたりして、疲れちゃった。」
そういってプレゼントされたばかりの新しい靴を手渡して、
「履かせてくれますか?」
って言ったんです。
知っていますか?
好きな女性に履かせたい靴って、ほとんどの男性には趣味・嗜好があるんです。
知っていましたか?
好きな女性に、好みの靴を履かせることが、とても性的な感情を芽生えさせるって。
新しい靴を手に、ストッキングを履いた脚に、靴を履かせるんです。
ウォルフォードのストッキングの妖しい雰囲気に、どんな男性でも触れたくなるものです。
だから注意しておくんです。
「私の脚に触れたら、セクハラですよ。クスクス。」
って。

こんな話を聞かせるのは、君が貞操帯をしているから。
貞操帯をつけたまま、私と銀座でデートしてみますか?
私の脚に似合う靴を、一生懸命探してみますか?
ウォルフォードのストッキングを履いた脚に、君の好きな靴を履かせて みますか?
アンクレットに、鍵をぶら下げてあげましょうか?
君の選んだ靴を履いて、どこか食事に行きましょうね。
ズボンの上から貞操帯を握ってあげる。
どんな鳴き声を聞かせてくれるかな。
こんな妄想をさせるだけで、貞操帯を施錠されたマゾ男性は狂ってしまいます。
知っていますよ。
射精よりも、屈辱が欲しいんでしょ?
射精するよりも、屈服したいんでしょ?
知っています。
ね、もっといっぱい、苦しませてあげるよ。
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