fun復刻:男を思い通りに操る術、教えます。

君の心に、小さな小さなトゲが刺さってしまいました。
とても小さなトゲだから、ぜんぜん痛くないんです。
そのまま放っておけば良かったんですが・・・

たまにチクっとすることがあるから気になっちゃうんです。
だからトゲに触れてみると、ズキズキとした甘い痛みを感じるんです。
しばらく触っているとジンジンと疼くような感じに変化して・・・

君の心に、小さなトゲが食い込んでしまいました。
さっきまでだったら、ピンセットで摘まんで取り除けたんです。
でも気になって触っていたから、少し奥まで食い込んじゃった・・・

もう触れなくても、ズキズキとした甘い痺れを感じ続けてるんです。
トゲの周りに痒みが広がって、いつも気になってしまうんです。
もう放っておけないくらい、深く入っちゃって・・・

君の心に刺さったトゲは、気がついたら大きくなっていました。
君が何かに集中しているときは気にならないくらい、体に馴染んできました。
でも、つい気にしてしまうとジンジンと甘く痒い痺れが、どんどん・・・

そのトゲは、君の心をマゾに変えるトゲ。
心に深く突き刺さっているから、無理に抜けば心の一部も剥がれてしまう。
トゲは心と同化しはじめて、大きく育っていく・・・

ピンク色だった君の心は、トゲの周辺から赤黒く変色しはじめた。
気がつけば、心はすべて赤黒くなっている。トゲのせいだ。
でも、いまさらトゲは抜けない。心の全てがトゲと同化してるから・・・

そしてまた、新しい小さなトゲが心に刺さりました。
小さな小さなトゲで、ぜんぜん痛くないんです。キレイな色のトゲです。
君は、よせばいいのに、またトゲを触り始めちゃって・・・

気がついたら、君の心はトゲだらけになっている。
でも普通に生きている。普通に生活している。
トゲを抜こうと思っても、どうやって抜いたらいいのか分からない・・・



ねえ。
トゲを全部ぬいてあげようか？
一本ずつ、丁寧に。

トゲが全部抜けたとき、君の心はキレイなピンク色に戻っていました。
トゲひとつ刺さっていない、キレイなピンク色の心。
イジワルな言葉に、何の反応もしない心だからツマラナイね。


ねえ。
ここにね、とても甘い毒を分泌するトゲがあるんだけど・・・

君の心の中心に、刺してもいいですか？
いつもジュクジュクとした甘い痺れ・・・
欲しい？

クスクス
クスクス

あげないよ。

だって君は、もうマゾじゃないんだから。
もういじめてあげない。

もう、君に向けてイジワルな言葉を与えないよ。



ねえ。
やっぱり君は、トゲがなくてもマゾなんじゃないの？

[46回]