ショートストーリー 20
貞操帯に興味を持っちゃったM系男子に妄想ショート・ストーリーを寄贈しましょう。

「苦しい?」
笑いながらY君に聞いた。
もちろん苦しいってことは知っている。
「もう外してほしい?」
期待させるだけの質問。
今日はまだ開けないことは、Y君も知っている。
でも、これはY君が望んだこと。
何でも命令に従えるようになるまで、鍵を預かって欲しいって。
そして、鍵をネックレスにぶら下げた。
鍵を預かってから、もう10日間経ったね。
まだ、何でも命令に従える雰囲気ではないね。
もっと切羽詰まった顔で泣いてくれないとね。

Y君とは寝たこともないどころか、指一本触れたこともない。
大学時代のクラスメイト。
たまたま駅であって、食事に誘われたのがキッカケ。
学生時代から付き合っていた彼女のことは、私も知っていた。
そろそろ結婚かと思っていたんだけど、浮気がばれて別れたって。
随分とお酒がはいって、要らないことを喋っちゃった。
「男に浮気させないなんて簡単だよ。」
って。

10年前から知っているY君。
彼が就職活動で苦労してたことも知っている。
就職が決まって喜んでいたことも知っている。
卒業旅行で東南アジアに彼女と旅行したことも知っている。
そんな彼の「鍵」は、いま私のネックレスにぶら下がっている。
さてさて。
どんな芸から仕込んでいきましょうか?

