背徳 その2
今回は、、、心配です。

ほとんど渋滞もせずに、貸別荘の管理棟にたどり着いたのは、家を出てから3時間後だった。 カーナビのおかげで、迷うこともなかった。
管理棟にも広い駐車場があったけど、荷物が多いので、とりあえず自分たちの建物まで車で行くことにした。
ここに着く前に、途中でビール、食材、ペットボトルの水やお茶、氷を買って、大きなクーラーボックスに入れていた。 一番重いのはクーラーボックス。 彼がクーラーボックスを運び、私がドアを開ける。
なんてことはなかった。
貸別荘について中を見たら、家庭用の冷蔵庫があった。
『なんのためにクーラーボックスを持ってきたの?』
彼は、私の言葉に大笑いした。
『でもさ、3日分の 食糧を買っておいたから、ずーっと別荘からでなくてもいいんだね。』
私は、わざとらしく異性を誘惑するような甘い声で言った。
クーラーボックスを床に下ろした彼の腕を抱きしめながら、甘えるような眼で見つめた。
『これさえなければね。』
そういって、自分の股間を指さす彼。
『こら〜。 今のは減点だよ。 1点減点〜。』
貞操帯を嫌がる言動は、すべて減点ってルール。
『えっ。 ご、ごめん。 あのさ、、、冗談だから、、、。』
哀願するような顔で私に言う彼。
『言い訳するなら、さらに減点にするよ。 それに、1点減点だけど2倍ルールだから、2点減点だよ〜。』
言葉を失ったように立ち尽くす彼。
意地悪な笑いを浮かべたまま記録用紙にマイナス2と書く私。
『で、あと何点なの?』
不服そうにしている彼。
点数をつけられたら、あと何点で100点になるか言うのがルール。
彼は不服なとき、点数をいうのを躊躇する癖がある。
『あっ、そう。 じゃあ、もっと減点してあげようか?』
不機嫌そうに言う私。
『 そんなに貞操帯が気に入ったの? ずーっと着けていたいの?』
『あと33点です・・・』
顔を伏せてつぶやく彼。 観念したような表情を浮かべている。
でも計算が 間違っていた。
『んん? 違うでしょ? あと34点だよね?』
伏せた顔の覗き込む。
『な〜に? 10点くらい減点されないと分からないのかな?』
『ご、ごめんなさい、、、あと34点です、、、』
彼は震えた声で、減点を受け入れたことを言葉にした。
『じゃあさ、さっきの計算間違えと、すぐに返事しなかったのは・・・』
考えながら、ゆっくりと言った。
『・・・あと何点減点すれば反省してくれる?』
言葉を失っている彼。
『も〜。 返事が遅いのは、いっぱい減点にしないとダメかな〜。』
指を折って数を数えるふりをした。
『あっ。 ごめんなさい、、、』
『うん? 謝ってほしいんじゃなくて、何点減点されればちゃんと反省できるのか聞いてるんだけど?』
明るく微笑みを浮かべたまま指を折って数を数える私。
『1点です・・・』
『いいよ。 じゃあ、2倍にして、2点減点すると・・・』
今度は、彼はすぐに答えた。
『あと、、36点です、、、』
『できるじゃない。』
記録用紙に書きながら、私は呟いた。
『減点してあげれば素直になるんだね。 覚えておいてあげる。』
『あと3日間、とっても楽しみよ。』
と言いながら彼の貞操帯をズボンの上から握った。



