わずかな希望すら奪う快感 その1
2012/07/16(月)
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海辺の貸別荘を選んだのはね、今まで行ったことがないから。
林間の別荘だと、君は嫉妬するでしょ?
「この先の右側にスーパーがあるから、ちょっと寄ってくれる?」
って行っただけで、私の過去に嫉妬するでしょ。
だから海沿いの貸別荘を選んだんだよ。
海沿いの別荘の思い出は、君との思い出だけにしてあげる。

守るもののある強さ。
それは、私が男性に求めるもの。
守るもののない強さ。
無謀で、先を考えない無茶な行動。
プライドのために喧嘩を厭わない強さ。
それは、私が求めていない強さ。
こんなこと、教えてあげたよね。
ずいぶん昔になっちゃったけど、覚えてるよね。
だからでしょ。必要以上に安全運転してるのは。
たかが運転。でも、君にとってはアピールのチャンスだと思ってるでしょ。
そんなアピールに一生懸命になるなら、私をもっと見てごらん。
伏し目がちで、すぐに目をそらしてるから気づかないでしょ。
前回と違うメイクをしてること。
目つきが鋭くなるように、アイラインに工夫してるんだよ。
リップだって濃いめの色にしてるんだよ。
別に、化粧の変化に気づいて欲しいってことじゃない。
もっと私を見て欲しいってこと。
今は、君が一番近くに居るんだよ。
他の誰よりも近くに居ていいんだよ。
仕事関係で逢う女性に対して空けておく距離。
私との距離。
もしかして同じじゃないの?
バカだね。
黙って私を見つめたまま、まっすぐ2歩近づきなよ。
君から近づけないなら、私が近づいてあげようか?
でも、そうしたら、君は後ろに1歩下がったね。
バカだね。
本当にバカだね。
今もまだ、安全運転ばかりに気をとられてる。
人の少ないところに行けば、私だけを見つめられるよね。
私から目が離せなくなるくらいに、これから君の心を奪ってあげるね。
そうしたら、私を見ることを禁じてあげる。
安全運転にイライラしてるのも分からないなんてね。
一番近くに居るんだから、時間なんていくらでもあるんだから、まずは相手を見てごらん。
女王様でもなく、ブログの中の妄想でもなく、ここに私が居るんだよ。

彼の妄想に入り込んであげました。
もちろんフィクションですよ。100%フィクションです。
だれか私に別荘を買って下さい

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