ショートストーリー その1
2007/10/31(水)
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赤い靴底が、妙な感じでしょ。
女性のヒールの裏に興味を持っちゃうなんて、君は本当のマゾなのかもしれないね。
そんな言葉を胸に秘めたまま、彼と一緒に歩いている。
コートを買いに行こうよ。
といって色んなショップに行き、気に 行ったコートを羽織り、鏡に向かって立つ。
彼が鏡に映っている。 私を後ろから見ている。
「どう?」
って聞きながら、右足を膝から曲げて、彼に足の裏を見せるような仕草をする。
彼の目が私の足元に移るのを鏡を通して確認する。
やっぱり気になっちゃうんだね。
あとで、もっと近くから見せてあげようね。
赤い靴底を見るだけで、ドキドキしちゃうような想い出を作ってあげるね。
「これ、変わってるでしょ?」
ヒールの裏側を見せる。
釘付けになっている彼を微笑んで見つめる。
わざと、こういう靴を履いてきたんだよ。って微笑みで伝える。
ちゃんと伝わる。 言葉はいらない。
「あとで、ちゃんと磨いてもらうね。」
言わなくても伝わるけど、ちゃんと言ってあげるだけで彼は安心したような顔になる。
私は、彼に靴を磨いてもらう。
履いたままのヒールを、丁寧に磨いてもらう。
今日は、彼の誕生日だから、素敵な靴磨きを経験させてあげる約束。
彼の部屋に着く。
玄関で彼は靴を脱ぐ。
「ねえ。 ヒールは脱いだ方がいい? それとも履いたままがいい?」
答えは決まっている。 聞く前から決まっている。
きれいに磨かれたフローリングの上を、ヒールのまま歩いていく。
いつものソファーに腰掛ける。
優しく丁寧なキスを受ける。
唇ではなくて、ヒールに。
赤い靴底は、地面にあたるところは削れてしまっている。
でも、地面にあたらないところは、きれいな赤色。
靴を磨かせてあげるだけで、彼の呼吸は乱れてくる。
首輪を嵌めてあげる。
リードでつなぐ。
その間も、彼は丁寧に靴を磨き続ける。
裏まできれいにしてもらったら、もう一度キスしてもらう。
ここまでが靴磨き。
ここからは、ご褒美。
「汚したら許さないからね。」
彼がきれいにしたヒール。 でも汚すことは許されない。
「感じてもいいけど、汚さないでね。」
そう言いながら、靴を履いたままの脚で、彼のアソコを優しく踏む。
優しく踏んでいるつもりでも、彼の顔は大きく歪む。
痛みのせいじゃないんだよね。
「汚したら、舐めさせるわよ。 あはは。」
そんな言葉で、彼のスイッチがはいる。
一瞬で、彼の脳裏に浮かび上がるイメージ。
赤い靴底に、白い精液。
無理やり舐めさせられる。
そして、笑われる・・・
「これで逝っちゃったら、本当に変態だよ。」
そんな言葉も、刺激の強いスパイス。
「逝ったら知らないよ。 覚悟しておいてね。」
って言った瞬間、彼は逝ってしまった。
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