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小説「社長秘書」 その2


靴磨きに憧れているM系男子って、多いですよね。

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社長は、私とふたりきりの時間を過ごしたがる。
ケンスケって呼び捨てにされて、時には椅子に座ることも、私に許可を求める。

そんな時間は、彼にとって甘くて切ない時間。

お客様がいらっしゃると、一時的に立場が元に戻る。
社長室の中にある応接用のソファーに座るお客様と社長にお茶を出す。
ローテーブルだから、両膝をついて。

膝をついたまま、社長に意地悪な微笑みを見せる。
お客様には見えないように。


お客様がお帰りになった後、立場が反転する。

「私にもお茶を入れて下さいね。」

たった一言だけ。
私が両膝をついた場所に、ケンスケが跪いている。

「ケンスケは、ここで飲みましょうね。」

跪いたケンスケの前に、彼の湯飲み茶碗を置く。
そう。跪いたままでお茶を飲ませるために。

「こうして飲むと、さっきより美味しいでしょ?」
クスクスと笑いをこぼしながら、ケンスケに入れさせたお茶を手に取る。

「お茶の入れ方、上手になったんじゃない?」

耳を真っ赤にしたまま跪くケンスケ。
こういう雰囲気になると、ケンスケは無口になる。
私に一方的に言われて、それを受け入れるだけになる。

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暑い日が続きますね。
美味しいお茶を入れてくれる男子がいると、嬉しくなります。暑い日には熱いお茶ですね。

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