ショートストーリー その9
2008/04/20(日)
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妄想を書いてみました。
100%フィクションです[emoji:i-236]
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首輪と私の手を繋いでいる短いリード。
綿ロープのような素材には、少し伸縮性がある。
その伸縮性を感じるのは、私の指と彼の首。
私が強くリードを引いたとき、衝撃を少しだけ和らげてくれる。
クイってリードを指先で引くと、ゴムのようにリードが撥ねる。
リードは、私と彼の気持ちを伝えてくれる。
言葉を使わなくても、私の意図を彼に伝えてくれる。
引っ張る方向、強さ、タイミング。
微妙な違いをつけて引っ張っているのではなくて、彼を見つめながら引っ張るだけ。
それだけで、彼に私の意図が伝わる。
彼も、微妙な違いを分析しているのではない。
首輪から脳に自然に伝わっている。
私の膝に頬ずりする彼。
見下ろす私。
完全に男を支配していることで得られる幸福感。

