ショートストーリー その26「優しくして下さい」
2013/12/23(月)
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久しぶりに一話読み切りのショートストーリーです。

彼を貞操帯で封印してから2度目の洗浄。
前回は、管理開始からたった1週間だったので、手足の自由は奪わなかった。
切羽詰まってないから、暴れられる心配もなかったし、あまり不安を与えたくもなかったから。
でも、今回は封印してから18日目。
鍵を見せるだけで呼吸が荒くなってるし、切羽詰まってるのが直ぐに分かった。
こうなってくると、貞操帯を外した瞬間に暴れる可能性がある。
本人にも抑えられなくなっているかもしれない。
だから、手足を拘束することにした。
革製の拘束具。普通の男性が本気になっても絶対に壊れない頑丈な拘束具。
金具が壊れていたら、怪我をすることもある。
肌に触れる金具を中心に、念入りに確認した。
私がチェックしているのを見て、彼はカタカタと震え始め た。
きっと何か勘違いしてる。
拘束具を手首に巻く。
そして背中に両手を回して貰って、南京錠で左右の拘束具を繋ごうとすると・・・
「優しくして下さい・・・」
彼が顔を真っ赤にして呟いた。
バカだね。
初めての射精管理、初めての貞操帯、初めての拘束具だよ?
無理なことや恐怖を与えたりなんて、絶対にしないよ。
それなのに、経験のない少女のように「優しくして下さい」だなんて。
バカだね。
震えながら、そんなことを言うなんて。
バカだね。
涙を浮かべて、そんなことを言うなんて。
優しくしてあげるなんて当然のこと・・・
・・・だった。
私の加虐心に火をつけて、当然、責任を取ってくれるよね?
心から湧き上がってくる笑いを抑えることが出来なくなった。
きっと意地悪な顔になってるはず。
だって、意地悪なことしか考えられなくなったから。
ねえ。
恐怖を与えてあげる。
だから涙を流して泣いてくれる?
でもね、
ブレーキが壊れても知らないよ。
そうなったら、恐怖で躾をしてあげる。
想像するだけでゾクゾクしない?
恐怖を感じてる君。それを見て笑う私。
ほら。
ブレーキが壊れちゃった。
震えてごらん。
怯えてごらん。
もう一度、鳴きなさい。
「優しくして下さい」って。
君だけが自我を失うんじゃないよ。
私も自我を失ってくよ。
一緒に壊れようね。
冷静になる暇もないほど、燃えちゃおうね。
燃料が尽きるまで、燃え続けちゃおうね。

〜後記〜
たまに、こういう最強モードに入っちゃいます。
セーフ・ワードも聞こえないくらいに。
恐怖といってもね、暴力じゃないからね。
言ってもいいよ。
「優しくして下さい」って。
可愛く言えたら、アンアンって鳴かせてあげる。
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